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盗品・遺失物 (即時取得の特則)

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即時取得盗品・遺失物  


[民法193条]
前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失のときから2年間、占有者に対してその物の回復を請求できる。

[民法194条]
占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。



即時取得が成立するには、
 ① 目的物が「動産」である。
 ②「取引行為」により占有を取得した。
 ③「無権利者」からの取得。
 ④ 前主が無権利者であることに「善意・無過失」。
 ⑤「平穏かつ公然」と「占有」を始めた。
ことが必要となる。(民法192条)    (詳しくは⇒「即時取得のケーススタディ」参照)

つまり、例えばそれが盗品だったとしても、善意・無過失で無権利者から購入した場合は
即時取得が成立し、その物につき所有権を得ることができる。

ただしそれには条件がある。

盗品、遺失物については、
 1.被害者・遺失者から
 2.被害の日・遺失の日から2年以内に
 3.回復の請求がなされないこと。

逆に言えば、被害者・遺失者から、被害・遺失の日から2年以内に、回復の請求がなされれば
原則として、返還が必要となる。

ただし、占有者が、遺失物・盗品を、
競売、公の市場で又は商人等から善意で買い受けていた場合は、
その代価を弁済しなければ、
遺失者・被害者はその物を回復できない。(194条)

また、占有物の返還に際しては、以下の196条の規定もある。


費用の償還請求

[民法196条]
占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができる。ただし、占有者が果実を取得しときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。
2 占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価額の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増加額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

盗品・遺失物・返還》

占有物が盗品・遺失物被害者・遺失者は、2年間、
占有者に対してそのものの回復を請求できる。
占有者が競売・公の市場等から善意で買い受けた場合代価を弁償しなければ
盗品・遺失物を回復できない。
返還の場合の必要費回復者から、その物の保存のために支出した必要費
償還させることができる。
(果実を取得した場合は、必要費は占有者の負担)
返還の場合の有益費占有物の改良等の有益費は、価額の増加が現存する場合に限り、
支出した金額又は増加額を償還させることができる。
(回復者の選択で支出額・増加額を償還)
(悪意の占有者には、償還に相当の期間を許与する)



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