抵当権(民法):行政書士試験に合格する

抵当権

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抵当権とは

抵当権とは、

債務者又は第三者が、占有を移さないで
債務の担保に供した不動産から
抵当権者が、他の債務者に先だって、自己の債権の弁済を受ける権利をいう。

抵当権は、
・債務者が自ら所有する土地や建物に設定する場合と、
・物上保証人が、他人のために自ら所有する土地や建物を提供して設定する場合、
がある。

  • 抵当権の目的物となり得るのは、不動産、地上権、永小作権
  • 元本のほか、利息損害金も被担保債権となる



たとえば、
AがBに2000万円を貸し付け、B所有の土地にAの抵当権を設定する契約を締結した場合、
Aを「抵当権」、
Bを「抵当権設定者」という。

そして、返済期限にBが2000万円を支払わない場合は、
Aは、抵当権に基づき土地を競売し、その代金によって2000万円を回収することができる。
つまり、2000万円は抵当権により担保されているわけで、
この2000万円の債権を「被担保債権」という。

つぎに、
Bが借りた2000万円の借金を担保するために
C(たとえばBの親)が、Aとの間で抵当権設定をした場合、
Cを「物上保証人」という。

さらに、抵当権の付いたCの土地をDに譲渡した場合、
Dを「第三取得者」という。


  • 抵当権の理解おいて、まず、
    抵当権抵当権設定者物上保証人第三取得者被担保債権
    などの言葉を理解することが必要となる。


抵当権の性質

抵当権には、付従性随伴性不可分性物上代位性
の4つの性質がある。 
     (⇒「担保物権」のページ参照)

物上代位

  • 物上代位とは
    担保物権の目的物が消滅すれば、担保物権も消滅するが
    担保目的物の滅失によって「別の価値」が生じた場合
    この価値代表物に対しても担保権の効力を及ぼすもの。
  • 物上代位の目的物
    • 抵当不動産が売却されたときの売買代金
    • 抵当不動産の賃料
    • 抵当不動産が滅失・損傷したことで債務者が受ける損害賠償請求権、保険金請求権
  • 抵当権者が、物上代位によって優先弁済権を受けるためには
    価値代表物の払渡し・引渡しの前に、差押えをすることを要する。


抵当権の効力が及ぶ範囲

抵当権の効力が及ぶ範囲」とは、
被担保債権の弁済が受けられず抵当権を設定した建物を競売する場合、
建物に備え付けられた家具などを一緒に競売できるかという効力範囲の問題。


抵当権の効力が及ぶ範囲の主なものは以下の通り。

  • 土地と建物は別個の不動産であり、
    一方に設定された抵当権は、他方に及ばない
  • 建物に抵当権が設定された場合、その効力は、建物の従物(畳、家具など)に及ぶ
  • 借地上の建物に抵当権が設定された場合、その効力は、借地権に及ぶ
  • 被担保債権が不履行となったとき、不履行後に生じた果実に対して、抵当権効力は及ぶ

《被担保債権の範囲》
抵当権によって担保される債権の範囲は、
利息・損害金については、満期となった最後の2年分のみ。

  • 後順位債権者や他の債権者を保護するため
    (他に債権者がいない場合は、最後の2年分に限定されない)

抵当権の効力の及ぶ範囲》

土地・建物いずれか一方に設定された抵当権は、他方に及ばない。
従物建物に設定された抵当権は、建物の従物(建具など)に効力が及ぶ。
果実不履行後に生じた抵当不動産の果実には、抵当権の効力が及ぶ。
借地権借地上の建物に設定された抵当権の効力は、借地権にも及ぶ。
被担保債権の範囲元本、2年分の利息・遅延損害金
(利害関係者がいない場合は、2年に限定されない)


抵当権の順位

一つの不動産には数個の抵当権を設定することができるが、
この場合、競売代金の配当は、抵当権の順位に従う。

抵当権の順位は、登記の前後で決定される。

  • まず、1番抵当権者が競売代金から債権額分の配当を受け、
  • その残り分から2番抵当権者が配当を受ける。

抵当権順位を変更するには、各順位の抵当権利害関係者承諾が必要であり、
登記をすることによって、その効力が生じる。


法定地上権

法定地上権

法定地上権とは、抵当目的物が競売され、建物と土地の所有者が別人になった場合、
建物の所有者が不法占拠者として建物の取り壊し等の不利益を受けないようにするため、
法律上設定されたとみなされる地上権をいう。

法定地上権の成立要件
抵当権設定時に、土地の上に建物が存在する
抵当権設定時に、土地と建物の所有者が同一
・土地と建物のどちらか、または両方に抵当権が設定された
・競売の結果、土地と建物の所有者が別になること

⇒ 建物に法定地上権が成立する

一括競売

更地に抵当権を設定した後に、その更地に建物が建てられた場合、
法定地上権は成立せず、抵当権によって土地が競売されると、
原則として建物は取り壊されることになる。

一括競売とは、このような社会・経済上の不利益を避けるため、
抵当権者が土地と建物を一緒に競売することができるこという。
ただし、抵当権者は、土地の代価についてのみ優先弁済を受けることができる。


第三取得者と抵当権

抵当権が設定された不動産を購入した第三取得者は、抵当権が実行されると所有権を失う。
第三取得者を保護するルールとして以下のものがある。

第三取得者による弁済

第三取得者は、法律上の利害関係を有する第三者として、
債務者に代わり債務を弁済することによって、抵当権を消滅させることができる。

代価弁済

第三取得者が、抵当権者の請求に応じて、抵当権者に代価を支払うことにより、
抵当権を消滅させることができる。

抵当権消滅請求

第三取得者は、自分が適当と考える金額を抵当権者に提供し、抵当権を消滅させることを
抵当権者に請求することができる。


借主の保護

抵当権」と「賃借権」は、
登記が先に行われたもの」が「優先」される。

賃借権の投機 ⇒ 抵当権の登記 ・・・賃借権が優先される
抵当権の登記 ⇒ 賃借権の投機 ・・・抵当権が優先される

よって、抵当権が優先される場合(抵当権が賃借権より先に登記されている場合)、
抵当権による競売が行われると、賃借人は買受人に対抗できず、明け渡しが必要になる

ただし、以下の要件がそろえば、賃借権は抵当権に対抗し得る。
(1)賃借権の登記がある。
(2)抵当権者全員の同意がある。
(3)(2)の同意の登記がある。

《上記の同意の登記が得られず、建物が競売された場合》
競売により買受人が所有権を取得した時から6ヶ月間は、建物の明け渡しを拒否できる

抵当権の侵害

物権的請求権

  • 抵当権は、目的物の交換価値を直接的・排他的に支配する物権であり
    第三者が不法占拠した場合、「その排除を求める物権的請求権が生じる」。
     (抵当権に基づく妨害排除請求
    • 山林に抵当権が設定されている場合に、
      抵当権設定者や第三者が不法に樹木の伐採・搬出をするとき
      それを停止するよう搬出停止の請求をすることができる。

損害賠償請求権

  • 第三者の不法行為により、目的物の価値が減少した場合
    損害が発生したと言えるので、第三者に対して損害賠償請求ができる。


抵当権の消滅時効

抵当権は財産権として20年で消滅時効にかかる。
ただし、債務者、抵当権設定者は、債務を弁済しない限り、消滅時効によって消滅しない

[民法369条]
抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ、時効によって消滅しない

[民法397条]
債務者又は抵当権設定者でない者が抵当不動産について取得時効に必要な要件を具備する占有をしたときは、抵当権は、これによって消滅する


根抵当権

根抵当権とは、「継続的な取引をする場合」において
増減する債権を「一定の額」まで継続して担保する抵当権をいう。

  • この一定の額を極度額という。
  • 「元本の確定した」根抵当権は、
    元本、利息、損害金などの全部について、「極度額を限度として」根抵当権を行使できる。

    *通常の抵当権は、原則として、利息・定期金などのうち満期となった最後の2年分
     に限り、抵当権を行使できる。

⇒「根抵当権




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