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その他の契約 ( 行政書士の「民法」)
贈与
友人などに物をタダであげる約束をすることを贈与という。
物をあげる人を贈与者、もらう人を受贈者という。
贈与者の担保責任
《贈与者の担保責任》
原則 | あげたものに瑕疵があっても、担保責任を負わない。 |
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例外 | 贈与者が、その瑕疵を知りながら告げなかった場合は 責任を負わなければならない。 |
贈与の撤回
★書面によらない贈与の場合の撤回
原則 | 書面によらない贈与契約は、各当事者が、自由に撤回できる。 |
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例外 | ただし、履行が終了したときは、撤回できなくなる。 (不動産の贈与の場合、登記や引き渡しがあると、撤回できない) |
・「書面による贈与」は、撤回できない。
(ただし、議事録や会議録などに残された贈与の決議などは、贈与書面と認められない。)
負担付贈与
生活の面倒を見てもらう代わりに土地や建物を贈与するといった契約を、負担付贈与という。
《負担付贈与》
担保責任 | 贈与者は、負担の限度で、担保責任を負う。 |
解除 | 受贈者が負担義務を怠ったときは、契約を解除できる。 |
定期贈与
毎月仕送りするなど、定期的に贈与を繰り返す約束を定期贈与という。
定期贈与は、贈与者、受贈者の死亡により、その効力を失う。
使用貸借
例えば、大学に行く間、親戚の家の部屋をタダで借りるなど、
借主が、無償で使用し、その後返還する約束(契約)を使用貸借という。
- 契約は、物を受け取ることによって成立する。(要物契約)
- 無償、片務、要物契約
- 不動産の使用貸借の場合、借地借家法の規定は適用されない。
- 使用貸借については登記の方法がない。(第三者に対抗する方法はない。)
- 借主は、貸主の承諾がなければ、第三者に使用収益させることはできない。
(違反した場合、貸主は、契約の解除ができる。) - 貸主は、担保責任を負わない。
(ただし、知っていながら告げなかった瑕疵については、責任を負う。) - 借主の死亡によって、使用貸借の効力は失われる。
《返還の時期》
- 当事者が「返還の時期を定めた」場合は、それに従う。
- 「返還の時期を定めなかった」場合は、
- 借主は、「契約に定められた目的」に従い使用収益をし終えたときに
返還しなければならない。 - 貸主は、「使用収益するのに必要な期間を経過したとき」は、
すぐに、返還を請求することができる。
(借主が、たとえ目的を達していない場合でも、返還請求できる)
- 借主は、「契約に定められた目的」に従い使用収益をし終えたときに
消費貸借
消費貸借とは、例えば、友人から1万円を借りて使い、その後に1万円を返すなど、
金銭その他の物を受取り、これと同種・同等・同量の物を返還する契約をいう。
- 消費貸借は、片務・要物契約。
- 無利息の場合は無償契約、利息付きの場合は有償契約。
《隠れた瑕疵があったとき》
- 利息付き消費貸借の場合は、
貸主は、瑕疵がない物をもってこれに代えなければならない。
(損害賠償の請求を妨げない) - 無利息の消費貸借の場合は、
借主は、瑕疵がある物の価額を返還できる。
《返還の時期》
- 返還の時期を定めなかったときは、貸主は、相当の期間を定めて催告できる。
- 借主は、いつでも返還できる。