占有権の基本条文 (民法

占有権

[民法180条]
占有権は、自己のためにする意思を持って物を所持することによって取得する。


  • 占有権は、所持とは違い、「自己のためにする意思」が必要。



[民法181条]
占有権は、代理人によって取得することができる。


  • 代理人の占有により、本人が占有権を取得することができる。
  • 土地所有者が自己の土地を他人に賃借した場合、土地所有者は、賃借人を通じて土地を占有する。



[民法189条]
善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する
2 善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす。

[民法190条]
悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価償還する義務を負う。
2 前項の規定は、暴行若しくは脅迫又は隠匿によって占有しているものについて準用する。

《善意の占有者の果実収取権》

善意の占有者占有物から生ずる果実を取得する
悪意の占有者果実を返還し、これまでの果実の代価を償還する義務を負う。
  • 本権の訴えで敗訴した場合、悪意の占有者とみなされ、
    起訴後の果実の返還義務を負い、既に消費した代価、過失により毀損し又は収拾を怠った果実の代価を償還する義務を負う。



[民法191条]
占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。

[民法203条]
占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。

[民法204条]
代理人によって占有する場合には、占有権は、次に掲げる事項によって消滅する。
(1)本人が代理人に占有させる意思を放棄したこと。
(2)代理人が本人に対して以後自己または第三者のために占有物を所持する意思を表示したこと。
(3)代理人が占有物の所持を消失したこと。
2 占有権は、代理権の消滅のみによっては消滅しない。


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