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復代理人

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復代理人と責任

《ケーススタディ》


Aは、Bから、Bの代理人として別荘を購入する代理権を付与された。

Aはその後、代理人として動くのが面倒になり
Bに無断でCを復代理人に選任した。

Cは別荘購入の交渉において第3者に対し「B代理人C」として行動している。

このような代理行為は有効であるのか?

また、もしCの行った契約などでBが損失を被った場合、
誰がどのような責任を負うことになるのか?



復代理とは?

代理とは、
「代理人が本人のためにすることを示して、本人の名において意思表示し、法律行為を行い、
 その法律効果を、直接本人に帰属させる制度」。

代理人として一定の権限を依頼された者が、さらに自分の代理人を選任した場合、
選任された者を「復代理人」という。

では、復代理人の選任はどのような場合に可能なのか?

また、代理人の代理人(復代理人)が行った法律行為は、
どのような効果があるのか?

これらは、どのような条件下で復代理人を専任したかによって異なるため
整理し、きちんと把握しておくことが必要である。


復代理人の地位

まず、復代理人の地位についてはっきりさせる必要がある。

復代理人は、
代理人の代理人という地位なのか?
本人を代理する権限を持つ地位なのか?
ということである。

民法107条は、
「復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。」と規定している。

つまり、復代理人とは
代理人から選任されるけれども、代理人の代理人と言う地位ではなく、
「本人を代表する」、本人の代理人である、ということである。

そして復代理人は代理人から任命されるわけであるから
その権限は代理人の権限の範囲内である。
(復代理人は、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。⇒民法107条2項)


代理人は復代理人を自由に選任できるのか?

次に問題になるのが、
代理人は、復代理人を自由に選任する権限を持つのか?ということ。

これについては、代理人が、
法定代理人か、任意代理人か、によって大きく違いがある。

まず、《法定代理人の場合》。

法定代理人は、
法律の規定や、本人外の協議、裁判所の任命などで選任される。

つまり法定代理人は必要性から任命されたのであり、
ある意味で希望していないのに代理人とされてしまった場合がある。

そこで民法106条は、
「法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。」とし、
法定代理人に比較的広い復代理人の選定権限を与えている

一方、《任意代理人の場合》。

民法104条は、任意代理人は
「本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、
 復代理人を選任することができない」
としている。

本人から委任を受けて代理人となった者は
本人の許諾を得たとき」か「やむを得ない事由があるとき」でなければ
復代理人を選任できないのである。

これは、任意代理人が、本人からの信頼に基いて要請され、それを了承することで成立した
代理関係であることから必然的に要請されている。

本人が「この人なら」と信頼して依頼したのに
その代理人が勝手に他の人に代理行為を預けたのでは
そもそもの前提が崩れてしまうのである。

よって、上記のケースでは
任意代理人が、本人の承諾なく復代理人を選任しているわけだから
復代理人とされた人には「代理人としての権限はなく」
代理行為をした場合は「無権代理」行為となる。


代理人の責任

最後に、復代理人を選任した「代理人の責任」について。

復代理人の行為によって本人に損害が生じた場合にどうなるか、ということ。

「法定代理人」の場合は
復代理人の選定権限が広い分、当然、全責任を負うものとされている。
 (民法106条⇒法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。)
 (やむを得ない事由があるときは、選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。)

「任意代理人」の場合は
「本人の許諾を得たとき」「やむを得ない事由があるとき」に復代理人を選にした場合は
選任及び監督について」、本人に対してその責任を負う。 (⇒民法105条

ただし、「本人の指名に従って復代理人を選任したときは」
選任及び監督については責任を負わず、
「復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、
 その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったとき」は、
その責任を負う、ということになる。

《復代理》

・・・復任権代理人の責任
法定代理常にあり 原則: 全責任
やむを得ない理由で代理人を選任したとき
⇒選任・監督上の責任のみ
任意代理本人の承諾を得たとき
やむをえない事情があるとき
 に限り、あり
 原則: 選任・監督上の責任
「本人の指名で選任」したとき
⇒不適任・不誠実を知って、本人に通知・解任することを怠った場合の責任



上記のケースの場合は以下のようになる。

まずAは、B(本人)の承諾もなく、やむを得ない理由もなく、
復代理人を勝手に選任している。

つまり、復代理人選任の前提条件を逸脱しているわけであるから
復代理人とされた者の行為は「無権代理行為」にあたる。

よって、その効果は本人に及ばない。

相手方は、その行為を行った者(自分では復代理人として行為したつもりの者)に対して
履行又は損害賠償の請求ができる。

但し何らかの形で本人Bに損害が発生した場合には、
Bは、代理人Aに対して損害賠償を請求することができる。






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