共有(共有物の処分):行政書士試験の民法

共有物の処分

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共有(共有物の処分)

行政書士試験のための
《ケーススタディ》


A所有の建物を、B、C、Dの3人に譲渡することになった。
移転登記は3人の共有名義とするることとし、持分は3分の1づつとされた。

しかし、その後、Dが勝手にDの単独名義の登記を行い、
Aは、当該建物をDに売却し移転登記を済ませてしまった。

この場合、B、Cは、Dの行為を違法として、権利回復の請求ができるか?



共有と持分

共有物については、共有者がそれぞれ「持分」というものを有することになる。

持分は、各共有者の所有権であるから
「自分の持分を処分する」ことは、各持分権者の自由である。
(この場合は、新たな共有者と従来からの共有者との間の共有関係が成立する)

分割についても、共有者の1人が「自分の持分に相当する部分」の分割を
他の共有者に要求することもできる。
(5年を超えない期間において分割禁止の特約は可能。特約の更新可)


共有物の処分

自分の持分」については、共有物の一定割合での所有権であるから、
その処分は自分1人でできる

では、共有物の全部を処分してしまうことはできるか?

民法251条は、
「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」
としている。

「処分する」とは、共有物の最大の「変更」行為であるから、
「他の共有者の同意を得なければ」することができない
(共有者「全員」の同意が必要)

では、共有物を誰かに貸して賃料を取ろうとか、共有者の1人に使用させて使用料を出させよう、
などの場合はどうすればよいか?(全員の同意が必要か?)

この場合は、共有物の「管理」行為となり、
各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する」(民法252条)ことになる。

また、例えば、共有物である建物が老朽化し雨漏りがする場合の修繕については
共有物の「保存」行為となり、
「各共有者がすることができる。」(民法252条但書)とされ、
各持分権者が単独で行うことができる

保存行為とは、
共有物の「現状を維持する」についての有益な行為のことをいう。

・共有物が他者に時効取得されそうな場合に、時効中断措置を取ること
・買い受けた不動産が未登記の場合に、共有名義で移転登記を受けること
についても、保存行為である。

共有物の変更
(変更・処分行為)
他の共有者の同意を得なければ、
共有物に変更を加えることができない。(全員の同意が必要
共有物の管理
(利用・改良行為)
管理に関する事項は、
各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する
共有物の保存各共有者が単独ですることができる



共有物自体の処分行為は、共有物の「変更」行為であり、
民法251条によって、共有者全員一致でなければすることができない。

したがって、上記ケースの処分行為は無効であり、
共有者は、登記なくしてその無効を主張でき、取戻すことができる。




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