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商業登記と商号 (商法)
商業登記
《商業登記の効力》
商業登記の効力 | |
---|---|
登記前 | 善意の第三者に対抗できない。 |
登記後 | 登記事項を、善意の第三者に対抗「できる」。 ただし、第三者が、「正当な理由」によって知らなかったときは、対抗できない。 |
不実登記 | 故意または過失によって真実と異なる登記をした者は それが真実と異なることをもって、善意の第三者に対抗できない。 |
- 登記は、第三者への対抗要件である。
(ただし、第三者が「正当な理由」によって知らなかった場合は、対抗できない。)*商業登記には、
①商号、②未成年者、③後見人、④支配人
に関する4種の登記がある。
未成年者登記
未成年者が商人として営業を行うときは、
その登記をしなければならない。 (未成年者登記)
- 未成年者も登記をすれば商人となれる。
商号
《商号の効果・責任》
商号選定の自由 | 商人は、自由に商号を選定できる (氏、氏名、名称等) |
商号の禁止 | 何人も、不正の目的をもって、 他の商人であると誤認させるおそれのある名称又は商号を 用いることはできない |
登記 | 商人は、その商号を登記できる (自然人の商人の場合は、登記は義務ではない) |
会社の商号 | ①会社は、その名称が商号となる ②会社は、その種類に従って、商号中に、 株式会社・合名会社などの文字を用いなければならない (他の種類の会社であると誤認されるおそれがある文字を用いてはならない) ③何人も、不正の目的をもって、 他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を 使用してはならない |
名板貸
名板貸(ないたがし)とは、
商人(名板貸人)が、他の商人(名板借人)に
「自分の商号」を使用して営業・事業を行うことを「許諾」することをいう。
・自分の商号
…商号に付加語を加えたり、簡略化した場合も、
営業主の誤認が生ずる限り責任を負う。
・許諾
…商号使用の許諾は、黙示の許諾の場合も責任を負う。
名板貸人は、
名板借人を営業主であると誤認してその取引した者に対して
その取引から生じる債務につき
名板借人と連帯して弁済の責任を負う。
*この債務には、
債務不履行による損害賠償債務、契約解除による原状回復義務・手付金返還義務
なども含まれる。
(ただし、名板借人の「不法行為」による損害賠償債務は、原則、含まれない)
商号の譲渡
《商号の譲渡》
商人の商号は、
①営業とともに譲渡する場合
②営業を廃止する場合
に限り、譲渡することができる。
*商号の譲渡は、その登記をしなければ、
第三者に対して、第三者の善意・悪意にかかわらず、商号譲渡を対抗できない。
(商号登記は、第三者に対する対抗要件であり、
当事者間においては、登記がなくとも譲渡の効力は生ずる。)
営業譲渡
営業には、動産・不動産・債権等の財産権のみならず
得意先やノウハウ等の事実関係も含まれる。
この「営業」を移転することを目的とする債権契約を「営業譲渡」という。
《営業譲渡》
営業譲渡人の 競業の禁止 | 営業を譲渡した商人は 同一市町村、これに隣接する市町村の区域内において 譲渡した日から「20年」間は、同一の営業を行ってはならない。 |
競業禁止の 特約 | 営業を譲渡した商人が同一の営業を行わない特約をした場合、 営業譲渡の日から「30年間」の期間内に限り、効力を有する。 (この場合、同一・隣接市町村の区域内に限定されない) |
譲受人の責任 | 営業の譲受人が、譲渡人の「商号を引き続き使用する場合」 譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する義務を負う。 (営業譲渡を知らない債権者の保護) ・営業譲渡から「2年以内」に請求・請求の予告をしない債権者に対しては 債務弁済責任は消滅する |
譲受人の 責任の解除 | 以下の場合は、譲受人の債務の弁済責任は解除される。 ①営業の譲渡後、遅滞なく、譲受人が 「譲渡人の債務を弁済する責任を負わない旨」を登記した場合 ②営業の譲渡後、遅滞なく、譲渡人及び譲受人から 第三者に対しその旨の通知をした場合 |
譲受人への 弁済 | 「営業の譲渡人」の営業によって生じた債権について 「営業の譲受人」にした弁済は、 弁済者が、善意でかつ「重大な過失がない」ときは、効力を有する (「無重過失」! …過失があっても弁済の効力がある) |
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