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行政書士と会社法 「株主総会」
株主総会 (会社法)
行政書士試験ランクA
株主総会の権限
《株主総会の権限》
取締役会 設置会社 | 取締役会 「非」設置会社 |
「会社法に規定する事項」 「定款で定めた事項」に限り、 議決をすることができる | 株式会社に関する一切の事項について、 議決をすることができる |
株主総会の「招集」
株主総会 | いつでも招集することができる |
定時株主総会 | 毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならない |
《株主総会の招集》
取締役会 設置会社 | 取締役会 「非」設置会社 |
取締役会が 日時、場所、株主総会の目的を決定、 代表取締役が招集する | 取締役が 日時、場所、株主総会の目的を 決定し、招集する |
少数株主による招集
- 一定の要件(公開会社では、100分の3、6か月前から)を満たした株主は、
取締役に招集を請求できる。 - この請求を会社が無視した場合には、
裁判所の許可を得て、株主総会を招集することができる。
⇒会社法297条
招集の「通知」
- 株主総会の招集は、株主総会の「2週間前」までに、株主に通知を発する。
- この通知は、非公開会社においては「1週間前」まで
- 取締役会非設置会社では、定款で「1週間よりも短縮」できる。
(上記2点は、書面投票・電子投票を定めた場合を除く)
- 株主総会招集の「通知」は、以下の場合、「書面」「電磁的方法」で行わなければならない。
①書面投票・電子投票を定めた場合
②「取締役会」設置会社
招集通知の際の「提供書類」
- 取締役会設置会社は、計算書類及び事業報告等を、招集通知の際に提供する。
- 書面投票・電子投票を定めた場合は、
①株主総会参考書類、②議決権行使書面(電磁的方法も可)を交付する。
- 書面投票・電子投票を定めた場合は、
招集「手続きの省略」
- 「株主の全員の同意」がある場合は、(書面投票・電子投票を認めた場合を「除き」)
上記の「招集手続を省略」して株主総会を開催できる。
- 書面投票・電子投票を「定めた」場合は。招集手続きを省略できない。
(招集の「通知」に際して、議決権行使につき参考となる書面等の交付が必要だから)
総会「検査役」
- 「株式会社」又は
「総株主の議決権の100分の1以上を有する株主」
(公開会社である取締役会設置会社の場合は、「6か月前」「100分の1以上」の株主)
は、総会の招集手続・議決方法について調査させるため、
株主総会に先立ち、裁判所に対し、
「検査役」の選任を申立てることができる。 (⇒会社法306条)
株主総会の「株主の議題提案権」
株主は、株主総会の議題・議案について以下の権利を有する。
- | 内容 | 権利者 |
---|---|---|
議題提案 | 一定の事項を株主総会の目的とすることを請求する | 総株主の議決権の「100分の1」以上又は「300個」以上の議決権を有する株主 (公開会社では、さらに、6か月前 から引き続き有する株主) |
議案要領の 通知請求 | 株主の「議案提出」権により当該株主が提出しようとする議案の要領を、株主に通知することを請求する | |
議案提出 | 株主総会において、株主総会の目的である事項につき議案を提出する | 株主 |
*「議題提出」権、「議案要領通知請求」権は、
株主総会の「8週間前」までに行使する必要がある。
株主総会の「議決権」
- 株式1株につき1個の議決権を原則とする(1株1議決権の原則)
- 単元株制度を採用している場合は、1単元につき1個の議決権
- 「非公開会社」では、定款により、異なった取り扱いが認められる。
(1人1議決権も可能)
《議決権を有しない・行使できない場合》
- 単元未満株
- 議決権制限株式
- 自己株式
- 相互保有株式(会社が相互に、議決権の4分の1以上の株式を保有する場合)
- 例えば、A社がB社の株式を議決権の4分の1以上有する場合、
B社がA社の株式を保有していても、B社は議決権を行使できない。
- 例えば、A社がB社の株式を議決権の4分の1以上有する場合、
- 基準日後に発行された株式の株主
- 名義書換未了の株主
- 特別な利害関係を有する株主
(たとえば、自己株式取得を承認する株主総会での売主となる株主)- ただし、株主は自己の利益のために議決権を行使し得ることから
当該議決事項に議決権のある株主は、原則として、議決権を行使できる。
それにより、著しく不当な決議がなされた場合に
事後的に、取消し事由となり得る。
- ただし、株主は自己の利益のために議決権を行使し得ることから
株主総会の議決の「代理・書面投票・不統一行使」
《議決の「代理・書面投票・不統一行使」》
代理 | 株主は、代理人によって議決権を行使することができる (代理人資格を株主に限る定款の規定は、有効) |
書面投票 | 株主の数が「1,000人以上」の会社では、 「書面」によって議決権を行使することを認めなければならない |
電磁的方法 | 株主総会に出席しない株主に、 電磁的方法での議決権行使を認めることができる |
議決権の 不統一行使 | 株主は、議決権を統一しないで行使することができる (株式信託等の場合、実質的に複数の株主に権利が帰属するため) (このような場合以外の不統一行使を、会社は拒むことができる) |
株主総会の「決議方法」
普通決議
- 議決権の過半数を有する株主が出席し(定足数)、
議決権の過半数(決議要件)で決議する。
(定款の定めにより、定足数・議決要件を変更できる)
特別決議
- 議決権の過半数を有する株主が出席し(定足数)、
議決権の「3分の2以上」(決議要件)で決議する。
(定款で、「定足数」は、3分の1以上の範囲で、軽減・過重することができる)
(決議要件は、3分の2以上に過重のみすることができる)- その他の要件を、さらに加えることも定款で定めることができる。
(例えば、一定の数以上の株主の賛成(頭数要件)など)
- その他の要件を、さらに加えることも定款で定めることができる。
《特別決議を要する事項》
特別決議を要する事項 |
---|
・譲渡制限株式の買取決定 ・特定の株主からの自己株式取得 ・全部取得条項付種類株式の取得決定 ・譲渡制限株式の相続人に対する売渡し請求の決定 ・株式の併合 ・募集株式の発行等の事項決定 ・新株予約権の発行における募集事項等の決定 ・役員等の会社に対する損害賠償責任の免除 ・累積投票によって選任された取締役の解任 ・監査役の解任 ・定款の変更 ・資本金の額の減少決議 ・事業の譲渡 ・解散についての規定による決議 ・組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転 についての規定により株主総会の決議を要する場合 |
特殊決議
《特殊決議》
- | 内容 | 表決数 |
---|---|---|
309条3項 | ① 全部の株式の内容として 譲渡制限の定款の定めを設ける ② 公開会社が、消滅会社・完全子会社になる場合で、対価として譲渡制限株式を交付する場合の契約の承認等 | 株主の半数以上で(頭数要件) 議決権の3分の2以上 |
309条4項 | 株主の権利について、 株主ごとに異なる取り扱いを行う属人的な定款の定めを設ける定款変更の決議 | 株主の半数以上で(頭数要件) 議決権の4分の3以上 |
定款において、過重することのみ認められる。
決議の省略
- 総会の決議事項について
議決権を行使できる株主の「全員」が
書面又は電磁的記録により「同意」の意思表示をしたときは、
当該事項を可決する旨の決議があったものとみなされる。
株主総会の「議事」
《説明義務》
- 取締役・会計参与・監査役・執行役は、
株主から特定の事項について説明を求められたときは
必要な説明をしなければならない。- ただし、以下の場合は、取締役は、説明を拒否することができる。
・株主総会の目的である事項に関しないものであるとき
・説明をすることにより株主の共同の利益を著しく害する場合
・その他正当な理由がある場合
- ただし、以下の場合は、取締役は、説明を拒否することができる。
《議事録》
- 株主総会の議事について、議事録を作成しなければならない。
- 株主総会の日から「10年間」、議事録を本店に備え置かなければならない。
- 「株主」及び「債権者」は、
「営業時間内はいつでも」
総会議事録の閲覧・謄写の請求をすることができる。
- 「親会社の社員」は、その権利を行使することが必要なときは
裁判所の許可を得て、
子会社の株主総会議事録の閲覧・謄写を請求することができる。
《種類株主総会》
- 種類株主総会は、会社法に規定する事項・定款で定めた事項に限り議決できる。
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