取消訴訟の効力(行政事件訴訟法):行政書士試験に合格する

取消訴訟5

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取消訴訟の判決と効力 (行政事件訴訟法

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判決の種類

却下判決

却下判決とは、
訴訟要件を満たさないため、訴えを不適法として却下する判決。

*争われた行政処分の適法・違法に関する裁判所の判断は示されない。

認容判決

認容判決とは、
本案審理の結果、原告の請求に「理由がある」(行政処分に違法性がある)として、
行政処分を取消す判決。

*原告の請求の一部を認容する一部認容判決も認容判決の一種である。

棄却判決

棄却判決とは、
本案審理の結果、原告の請求に「理由がない」(行政処分に違法性がない)として、
請求を認めない判決。

事情判決

事情判決とは、
行政処分の違法性を認めつつ、原告の請求(処分の取消し)は認めない判決である。

行政処分が違法であるなら、本来はその効力は否定されるべきであるが
「これを取消すことにより公の利益に著しい生ずる場合において」
「原告の受ける損害の程度、その損害の賠償・・・方法その他一切の事情を考慮したうえ、
 処分又は裁決を取消すことが公共の福祉に適合しないと認めるとき」
事情判決がなされる。

ただし、事情判決を下す場合は
「当該判決の主文において、処分又は裁決が違法であることを宣言しなければならない」。


判決の効力

取消訴訟の判決の効力は、形成力、拘束力、既判力が問題となる。

形成力

認容判決は、判決主文において「・・・の処分を取消す」と宣言する。

つまり、認容判決が確定すれば、行政庁の特別な行為がなくとも
処分の効力は成立時に遡って消滅する。

これを形成力という。

取消判決は「第三者に対しても効力を有する」(行政事件訴訟法32条)ものであり、
原告と利害が「対立する」第三者に対しても形成力の効力は及ぶ。

このため、権利を害される第三者には訴訟に参加すること(行政事件訴訟法22条)や、
第三者再審の訴え(行政事件訴訟法34条)が認められている。

一方、原告と利益を「共通する」第三者については、訴訟参加の規定が設けられておらず、
取消訴訟が原告個人の権利利益救済を目的とするものであるため、
行政庁の行政行為が取り消されたとしても、全ての人との関係で取消されたものとなるわけではない。
(相対的効力)


拘束力

行政処分を「取り消す判決は、その事件について、
処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する」(行政事件訴訟法33条)
⇒これを「拘束力」という。

  • 例えば、「地方公共団体に属する行政庁」の処分に対する判決の拘束力は、
    「国に属する行政庁」にも及ぶ。

《消極的効果》
判決で取消された行政処分と「同一内容、同一理由」の処分を行ってはならない。(反復禁止効)

  • ただし、事情・理由・内容のいずれかが異なる場合は拘束力は及ばない。
  • 例えば、取消判決後に、「新たな処分理由」が発生した場合、これを根拠に、
    判決の効力と関係なく、原告に対し、より厳しい内容の不利益処分を行うことも可能。

《積極的効果》
行政庁は、取消判決の趣旨に従って改めて措置を取るべき義務が生じる。

  • 例えば、申請拒否処分が取り消された場合、行政庁は、判決の趣旨に従って
    改めて申請に対する処分を行わなければならない

既判力

取消訴訟の終局判決が確定すると、「既判力」(きはんりょく)が生じ、
当事者および裁判所は、後の裁判において
判決内容と矛盾する主張や判断をすることができない

  • 認容判決があった場合は、行政庁は、
    同一の事情の下では、当該処分の適法性を主張することができず
    棄却判決があった場合は、原告は、あらためて処分の違法性を主張することができない。

申請「拒否処分」の取消訴訟の場合で考えてみよう

例えば、ある施設の設置許可申請について、行政庁が拒否処分した場合を考えてみよう。

申請者が、当該処分の取消訴訟を提起し、
裁判所が、請求に対する認容判決をなしたとき、どのような効力が生じるだろうか?

取消判決の確定により、
まず、「形成力」によって、申請拒否処分の効力ははじめからなかったことになる。(遡及的に無効)

そして、「既判力」によって、
当事者は、判決と矛盾する主張ができなくなる。(同一事件について紛争のを蒸し返せない)
(行政庁は、処分の適法性を主張できなくなった、ということ)

この形成力と既判力により、
処分はなかったことになり、行政庁が再び裁判で処分の適法を主張できなくなったわけであるが
この2つの効力だけでは、行政庁はとくに何もしなくてもよいということになる。

しかしさらに重要な3つ目の効力「拘束力」によって、
取消判決の趣旨に反する処分ができなくなり、
行政庁は、判決の趣旨に従って、あらためて申請に対する処分をしなければならない
こととなる。



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