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義務付け訴訟

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義務付け訴訟 (行政事件訴訟法

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義務付け訴訟とは

義務付け訴訟とは、
行政庁に一定の処分をなすことを義務付ける判決を求める訴訟

2004年(平成16年)の行政事件訴訟法改正により、新たな訴訟類型として法定された。

義務付け訴訟には
 「直接型義務付け訴訟」(1号義務付け訴訟・非申請型義務付け訴訟)
 「申請型義務付け訴訟」(2号義務付け訴訟)
の2つのタイプがある。


1号義務付け訴訟(直接型義務付け訴訟) 

1号義務付け訴訟(直接型義務付け訴訟)は、
新政権のない者が、具体的な行政権限の発動を求める訴訟、である。

例えば、
 ・原子力施設の改善命令の義務付け訴訟を、施設の周辺住民が提起する場合
 ・違法建築物の除去処分の義務付け訴訟を、建築物の周辺住民が提起する場合
などが考えられる。

つまり、規制行政によって保護されるべき利益を持つ第三者が、
規制の不十分さの違法を訴え、規制的措置の義務付けを求める訴訟、と言うことができる。

直接型義務付け訴訟の「訴訟要件」

訴訟要件は、以下の3つが規定されている。

直接型義務付け訴訟の「訴訟要件」
① 一定の処分がなされないことにより重大な損害を生ずるおそれがある
② その損害を避けるために他に適当な方法がない
③ 一定の処分をすべきことを求めるにつき法律上の利益を有する者の提起

①+②+③が満たされなければ、却下となる。

その他の訴訟要件は、
「被告適格」「裁判所管轄」は取消訴訟の規定と同じ
「出訴期間」「審査請求前置主義」の規定はない。

直接型義務付け訴訟の「勝訴要件」

勝訴の要件は、行政事件訴訟法37条の2に定められている。

  • 処分をすべきであることがその処分の根拠となる法令の規定から明らかである
  • ②行政庁がその処分をしないことがその裁量権の範囲を超え、またはその濫用となると認められるとき

上記2つのいずれかが認められれば認容となるわけだが、
具体的には今後の判例を待つことになる。


2号義務付け訴訟(申請型義務付け訴訟)

号義務付け訴訟(申請型義務付け訴訟)は、
・許認可等の申請、審査請求に対して、不作為がある
・許認可等の申請、審査請求に対して、拒否処分棄却裁決がなされたときに
行政庁に許認可等をなすべきことを命じることを求める訴訟である。

例えば、
・生活保護処分の義務付け訴訟
・幼稚園入園処分の義務付け訴訟
などがある。


申請型義務付け訴訟の「訴訟要件」

申請型義務付け訴訟の「訴訟要件」は以下の通り。

申請型義務付け訴訟の「訴訟要件」
① 申請・審査請求に対する不作為、または拒否処分棄却裁決がなされている。
② その不作為、拒否処分、却下裁決が違法であると主張できる
③ 不作為の場合は「不作為の違法確認訴訟
  拒否処分・却下裁決の場合は「取消訴訟」または「無効等確認訴訟
  を併合提起している

①+②+③が満たされなければ、却下となる。

その他の訴訟要件は、
「被告適格」「裁判所管轄」は取消訴訟の規定と同じ
「出訴期間」は、取消訴訟と併合提起する場合は取消訴訟の出訴期間の制限がかかるが
それ以外と併合提起する場合は出訴期間の制限はない。

勝訴要件

勝訴の要件は、
まず、① 併合提起した訴えに係る請求に「理由があると認められる」こと
が前提となる。

その上で、以下のいずれかが満たされることが要件となる。

 ① 行政庁がその処分・裁決をすべきであることが
  根拠となる法令の規定から明らかである

 ② 行政庁がその処分・裁決をしないことが
  その裁量権の範囲を超え又は濫用となると認められるとき

たとえば、①の要件が満たされても、②または③が認められなければ、
併合提起した取消訴訟等については認容判決が出るが、義務付け判決は出されない。


仮の義務付け

義務付け訴訟の仮の救済制度として「仮の義務付け」がある。

仮の義務付けは、執行停止と同じく、原告の申立てにより、裁判所が決定する。

仮の義務付けの要件は以下の通り。

仮の義務付けの要件
義務付け訴訟の提起
② その処分・裁決がされないことにより生ずる
  償うことのできない損害を避けるため緊急の必要がある。
③ 本案につき「理由があるとみえる
④ 公共の福祉に重大な影響を及ぼさないこと。

仮の義務付けは、裁判所が、仮の許認可等を行うものであり、
行政庁に対し現状維持を求める執行停止に比べ、
裁判所がより積極的に行政活動に介入するものであると言える。

そこで、執行停止の要件である「重大な損害」よりも厳格な「償うことのできない損害」を要件とし、
執行停止の「理由がないとみえない」に対し、仮の義務付けは「理由があるとみえる」と
要件が加重されている。
 



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