行政書士試験・合格トップ > 一般知識 > 市民革命と理論(社会契約論・自然法)

市民革命と理論  行政書士試験の「一般知識」

行政書士・試験ランク B 

市民革命と自然法

11~12世紀のヨーロッパで、絶対君主による国家統一が行われ、
国王の権力は「王権神授説」の下、絶対的な最高権力となり専制政治が行われた。

17世紀になると商工業の発達の中で市民階級が力を増し、
封建的権力を覆す市民革命を起こした。

市民革命の理論的根拠となったのが
「自然法」「自然権」思想、「社会契約論」である。

自然法、自然権

自然法とは、
「自然の秩序そのものの中にある、時代・場所を超えて通用する人類普遍の法」である。

つまり、君主といえども守らなければならず、破ると革命権が行使される。

国家といえど侵すことができない永久の不可侵性、
すべての人間の権利である普遍性を持つ。

自然権は、自然法により認められた権利であり、
人が生まれながらにして持つ固有の権利(基本的人権の基礎)である。


市民革命と社会契約論

社会契約論とは、
人々が自由意思に基づいて、相互の契約・合意により、社会・国家が成立した
とする説。

自然権は、契約により国家に委託するが、国家は委託された自然権を守る義務がある

ロックは、
「もし、政府が自然権を侵害するなどの契約違反を犯した場合
 人々は抵抗し、政府をかえることができる」、と主張した。
抵抗権、革命権


ホッブス

ホッブス(英、「リヴァイアサン」など)の社会契約論

《自然状態》 …「万人の万人に対する闘争」の状態
《社会契約》 …個人は、闘争の恐怖から、自然権を君主に委譲する契約を結ぶ
《国家の目的》…国家は絶対的主権を持つ「リヴァイアサン」(怪物)であり、
        この権威によって市民の平和と幸福が可能となる。


ロック

ロック(英、「市民政府二論」など)の社会契約論

《自然状態》 …理想状態である自然の状態の中で、生命・自由・財産を保持した。

《社会契約》 
 …時として起る紛争を避け、より良く自然権を守るため
  自然権の一部を、代表者(議会)に信託する社会契約を結ぶ。

《国家の目的》
 …人々の自然権を擁護し、よりよい生活を保障すること。

ルソー

ルソー(仏、「社会契約論」など)の社会契約論

《自然状態》 …理想状態である自然の状態の中で、自由・平等の権利を保持した。

《社会契約》 
 …自然に帰ることはもはや不可能であるから
  人民はすべての自然権を、
  一般意思(個々の利己心を超えた共同意思)に委譲する社会契約を結ぶ。

《国家の目的》
 …国家成立により、自然状態から「社会状態」に入り
  自然的不平等を超えて「倫理的法律的平等」を獲得し
  自然的自由は、「社会的道徳的自由」に転化する。


権力分立論

絶対王政が示していたのは、
権力が集中すると恣意的な政治がなされ、人権などが侵害される、ということであった。

そこで権力分立論が主張され、ロックの理論からモンテスキューの理論へと発展してゆく。

ロックの権力分立論

ロックは、
権力を、「立法権」「執行権(行政・司法)」「同盟権」に分割することを主張。

君主には、執行権と同盟権だけを残し、
立法権を議会に所属させ、これを最高の権力とした。

ロックの功績は、王権を分けた点にあり、
「立法権と執行権を分ける」という考えは、イギリスの議院内閣制の原型となった。


モンテスキューの権力分立論

モンテスキューは、
権力を、「立法権」「司法権」「執行権」に分け、
立法権を議会に、司法権を裁判官に、執行権(行政、外交、軍事)を君主に
分立することを主張した。

主著は「法の精神」であり、今日の三権分立の原型である。




行政書士試験の「一般知識」 ページ案内

選挙制度
行政改革
国連
日本と国際社会

日本と国際経済
日本の財政
消費者問題
日本の農業・食糧

行政書士試験の 一般知識 トップ
憲法・民法・行政法と行政書士試験 トップ