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法と社会規範 (基礎法学)
行政書士・試験ランク C
社会規範と法
社会生活を営む上で守らなければならない規律を、社会規範という。
社会規範には、伝統や慣習、宗教、道徳、法など様々なものが存在する。
- | 成立・制定 | 特徴 |
---|---|---|
慣習 | 社会の 伝統的行動様式 | ・その社会の中で長く守られてきた行動様式 ・違反した者は、社会的非難を受ける |
道徳 | 慣習の中で 特に重要な心の規範 | ・人の内心のあり方を規制し、価値判断の基準 ・道徳を守るのは個々の自発的義務感 ・国家によって強制されるものではない ・法は、道徳で守られるもの、といえる |
法律 | 国家機関(議会) が制定する | ・社会秩序を維持するために、人の行為を外面的に規制する ・国家機関による強制力(サンクション)を伴う規範 ・違反には刑罰が科せられる ・法の支配の下、 法の内容は、民主主義の原理や人権に反してはならない |
法規範
社会規範の中でも、法規範は、現代社会で中心的役割を果たすようになっている。
社会的に適法な行為を促し、違法・不当な行為を抑止するため、
法規範は強制力(サンクション)を伴うという特徴を持つ。
(この強制力は、国家機関によって実現される)
また、法規範は、
行為規範、裁判規範、組織規範として作用する。
行為規範
法規範は「国民が社会生活を送る上での行動の基準」を示し、
これを行為規範という。
一定の作為を命ずる命令規範、一定の不作為を命ずる禁止規範、がある。
裁判規範
行為規範からの逸脱等があった場合、裁判などにより一定の制裁が加えられる。
この裁判において、裁判の基準となる規範を裁判規範という。
組織規範
裁判所、警察などの国家機関に、権限や組織構成などを定める法規範を
組織規範という。
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