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賃貸借契約 ② (民法)
行政書士試験ランクB
敷金
敷金とは、賃借人が一切の債務の担保のために差し入れられた金銭。
契約終了後、目的物の明渡義務履行までに生ずる「賃借人の債務を控除」した「残額が返還」される。
《賃貸人・賃借人の地位の移転と敷金の継承》
賃貸人の地位の移転 | 賃借人の地位の移転 |
敷金返済義務は、 当然に、新賃貸人に継承される。 (その額は、旧賃貸人に対する債務を差し引いた額) | 特段の事情がない限り(旧賃借人と賃貸人の約束等) 当然には継承されない。 |
- 目的物の「返還義務」の履行 と 敷金「返還義務」の履行は、目的物の返還が先履行。
(同時履行の関係にない。)
賃貸借契約の「終了」
存続期間の終了
「存続期間の定めのある」賃貸借契約は、
その「期間の満了」により「消滅」する。
解約申し入れ
賃貸借の期間の定めの「ない」場合は
当事者は、「いつでも」、「解約の申入れ」をすることができる。
解約の申入れから、「以下の期間が経過すると、契約は終了」する。
・土地の賃貸借 ・・・1年
・建物の賃貸借 ・・・3カ月
・動産など ・・・1日
解除
賃借人に債務不履行があった場合は、原則として、契約「解除」が認められる。
(賃貸借契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。)
ただし、「信頼関係の破壊」の有無により、以下のように「解除が制限」される。(判例)
・「信頼関係の破壊」のおそれが「全くない」場合 ⇒解除できない
・「信頼関係の破壊」が「認められる」場合 ⇒「催告」して解除できる
・「信頼関係の破壊」が「著しい」場合 ⇒催告なくして解除できる
賃貸借契約終了時の「賃借人の権利」 (借地借家法の規定)
建物買取請求権
借地権が、「期間満了」後に、「更新されず」消滅する場合は、
借地権者は、建物を、時価で買い取ることを請求することができる。
造作買取請求権
建物賃貸借契約が終了する場合、
賃貸人の同意を得て、建物に付加した造作(エアコンなど)がある場合は、
賃借人は、その造作を時価で買い取ることを請求できる。