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株式の譲渡 (会社法)
株主は、「株式を自由に譲渡できる」のが原則
株式譲渡の「効力発生」要件
- 株券不発行会社の場合
・・・「当事者間の意思表示」のみで譲渡することができる - 株券発行会社の場合
・・・「当事者間の意思表示」のほか、
「株券を交付」しなければ、譲渡の効力が生じないのが原則
《株式譲渡の「効力発生」要件》
- | 株券「不発行」会社 | 株券「発行」会社 |
---|---|---|
株式譲渡の効力 発生要件 | 当事者間の意思表示 | 当事者間の意思表示 + 株券の交付 |
- ただし、株券発行会社が自己株式の処分による株式の譲渡をするときは
「株券を交付しなくても」譲渡の効力が生じる。
株式譲渡の効力
株式の譲渡により、株主が会社に対して有していた一切の権利義務が
包括的に譲受人に移転する。
- すでに具体的に発生した「配当請求権」等は
株主の地位から分離独立した個別の権利であるから
株式譲渡とともに当然には移転しない。
株式譲渡の対抗要件
株式の譲渡は、株式を取得した者の氏名・名称及び住所を
「株主名簿」に記載・記録しなければ
原則として、株式会社その他の第三者に対抗することができない。
株券発行会社については、
第三者に対する対抗要件は株券の占有になる。
《株式譲渡の対抗要件》
- | 「会社」 に対する対抗要件 | 「第三者」 に対する対抗要件 |
株券「不」発行会社 | 株主名簿 | 株主名簿 |
株券発行会社 | 株券の交付 |
善意取得
株券の占有者は
その株券にかかる株式についての権利を「適法に有するものと推定する」。
無権利者から株式を取得した者は
善意・無重過失で株券の交付を受けたのであれば
その株式の権利を取得できる。
株式の譲渡制限
株式の譲渡制限には、以下のものがある。
① 時期による制限
② 親会社株式の取得の制限
③ 自己株式の取得制限
④ 譲渡制限株式
時期による制限
【 権利株 】
- 株主となる権利(権利株)の譲渡は、会社に対抗することができない
当事者間では有効、と解されている
【 株券発行前 】
- 株券発行前にした譲渡は、会社との関係では効力を生じない。
- 当事者間では有効、と解されている。
親会社株式の取得制限
子会社は、その親会社である株式会社の株式(親会社株式)を
取得することはできない。
一定の場合には、親会社の株式取得が認められている。
- 他の会社の事業の全部を譲り受ける場合において
当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合
⇒例外として取得することができる- ただし、適法に親会社株式を取得した場合でも
相当の時期に処分しなければならず、
子会社は親会社株式について議決権を有さない。
- ただし、適法に親会社株式を取得した場合でも
譲渡制限株式
定款で、
株式の譲渡について「株式会社の承認を要すること」を定めることができる。
譲渡制限株式の「譲渡承認機関」は、
「取締役会」の設置会社・・・取締役会
「取締役会」の非設置会社・・・株主総会
であるのが原則。
ただし、定款で、別段の定めをすることができるので
取締役会設置会社でも、株主総会や代表取締役を
譲渡承認機関とすることもできる。
《承認の請求》
譲渡制限株式を「譲渡しようとする株主」及び「株式取得者」は、
株式会社に対して、「承認するか否かの決定をすること」を請求することができる。この際、会社が承認しない決定をするときは
・会社が対象株式を買い取る
・指定買取人を指定すること
を、請求することができる。
《承認を得ずになされた譲渡の効力》
会社の承認を得ずに、譲渡制限株式が譲渡された場合、
会社は、株式取得者の名義書換請求を拒むことができる。
- 当事者間では、その譲渡は有効、と解されている
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