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占有の訴え (民法

占有の訴え (占有権)

占有の訴え」についての条文とポイント

[民法198条]
(占有保持の訴え)
占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求できる。

[民法198条]
(占有保全の訴え)
占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求できる。

[民法199条]
(占有回収の訴え)
占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求できる。
2 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定継承人に対して提起することができない。ただし、その継承人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。



〈ポイント〉

  • 占有保全の訴えによる妨害停止請求には、相手の故意・過失があることは要件とならない。
  • 占有回収の訴えは、物の返還、損害賠償が請求できる。
  • だまされて物を他人に引き渡した場合は、奪われたわけではないので、占有回収の訴えを提起することはできない。
  • 占有を侵奪した者の「特定継承人」に対して占有回収の訴えを提起することはできない。
    ただし、継承人が侵奪の事実を知っていたときは提起できる。
    (物を盗まれ、盗人がこれを第三者に売り払ったとき、この第三者に占有回収の訴えはできない)
    (ただし、この第三者が盗品であることを知っていた場合は占有回収の訴えは「できる」)

占有の訴え

訴えの種類どのようなときに請求権
占有保持の訴え占有を妨害されたとき・妨害の停止
・損害賠償
占有保全の訴え占有が妨害されるおそれがあるとき・妨害の予防
・損害賠償の担保
占有回収の訴え占有が奪われたとき・物の返還
・損害賠償


占有の訴えの提起期間

占有の訴えの提起期間》

-提起期間
占有保持の訴え妨害の存する間、又は
妨害の消滅した後1年以内
占有保全の訴え妨害の危険の存する間
占有回収の訴え占有を奪われた時から1年以内



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