行政書士試験・合格トップ > 行政法 > 不可争力
行政書士・試験のための「行政法・用語」解説
不可争力 (行政行為)
行政行為の公定力によって生じた法的関係を否定しようとする者
(例えば、除去命令による建物の取壊し義務を否定しようとする者)
は、その取り消しを求めて
行政上の不服申立てまたは処分取消訴訟を提起しなければならない。
ただし、それぞれに提起できる期間が法定されている。
不服申立て・・・処分を知った日から60日、処分の日から1年以内
処分取消訴訟・・・処分を知った日から6か月、処分の日から1年以内
この期間を経過すると、その行政行為がたとえ違法なものであったとしても
相手方はその効力を争うことができなくなる。
この場合を、行政行為に「不可争力」が生じた、と表現する。
不可争力の制度は、行政行為の効力を早期に安定させることに目的がある。
(長期間経過後に行政行為の効力が覆されると、第三者や行政に多大な負担が発生するなど
不測の迷惑、損害が発生するおそれがあるため)
けれども、不可争力が生じたことは、
その行政行為が「適法」であったことを確定させるということではない。
例えば、免職処分を受けた公務員は、その処分が取り消されない場合であっても
免職処分の違法を主張して損害賠償を請求することは可能である。
⇒戻る