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異議申立と審査請求 (行政不服審査法

行政書士・試験ランク S 

「処分」に対する不服申立て

審査請求と異議申立ては、原則として二者択一の関係にある。(相互主義)

具体的には、
 処分庁に上級行政庁が「ある」場合 ⇒審査請求
 上級行政庁が「ない」場合 ⇒異議申立て
を行う。

また、「処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長である」
ときは、異議申立てを行う。

基本的には、この規定に従って不服申し立てを行うが、
法律に特別の規定がある場合は、それに従うことになる。

例えば、上級行政庁があり審査請求ができる場合でも
法律により「異議申立てができる」とされている場合は、
異議申立てを先に行った上でなければ(異議申立前置主義)、審査請求をすることができない。

 *ただし、異議申立前置主義となる場合でも
  異議申立てから3カ月決定がなされないなどの場合は
  異議申立ての決定を経ることなく、審査請求できる。(下表参照方)

《審査請求と異議申立て》

審査請求異議申立て
審査請求は、以下の場合にできる。

(1)処分庁に上級行政庁があるとき
*ただし、処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるときを除く

(2)上記に該当せず、法律・条例に審査請求ができる旨の定めがあるとき
異議申立ては、以下の場合にできる。

(1)処分庁に上級行政庁ないとき
(2)処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるとき
(3)上記に該当せず、法律・条例に異議申立てができる旨の定めがあるとき
法律の規定により、異議申立前置主義となる場合
上級行政庁があり審査請求できる場合でも
法律で「異議申立てができる」とされている場合は、異議申立てを先に行わなければならない。

ただし、以下の場合は、異議申立ての決定を経ることなく、審査請求をすることができる。
 ①処分庁が、
  当該処分について異議申し立てをすることができることを教示しなかったとき
 ②異議申立てをした日の翌日から3カ月を経過しても、処分庁が決定をしないとき
 ③異議申立ての決定を経ないことにつき正当な理由があるとき


「不作為」に対する不服申立て

行政不服審査法に基づく不服申し立ては、
「行政庁の不作為」については、
異議申立て又は不作為の直近上級行政庁に対する審査請求
いずれかをすることができる。 (自由選択主義

ただし、
処分庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるときは、
異議申し立てのみをすることができる。



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