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国会② …議員特権、国会の運営 (憲法)
行政書士・試験ランク A
⇒国会①
国会議員の「議員特権」
国会議員は、国民の代表として、その職務を果たすために様々な保障が与えられている。
国会議員は、
「国会会期中」は、現行犯以外は、所属する「議院」の許可がなければ逮捕されず、
「会期前」に逮捕された場合も、所属する議院の要請があれば、「会期中は釈放」される。(憲法50条)
また、「院内」での発言・演説・討論・表決について、
国会議員は、「院外で」、民事上も刑事上も責任を問われない。(憲法51条)
(ただし、院内においては、懲罰の可能性はある。)
・何人も、同時に両議院の議員たることはできない。(憲法48条)
・両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。(憲法49条)
衆議院の優越
国会の意思は、両議院の意思が一致したときに成立するのが原則であるが
両院が対立し、国政が遅滞する場合も想定されるため
憲法は、衆議院に優越的地位を与えている。
以下の事項以外では、両院は対等である。
特別優越権(絶対的優越)
★ 内閣不信任議決権 …衆議院のみが持つ (憲法69条)
★ 予算先議権 …予算は先に衆議院に提出し審議する (憲法60条)
★ 予算の議決、条約の承認
…両院の議決が異なる場合は「両院協議会」を開かなければならない(必要)が
ここで意見が一致しないときは、衆議院の議決の内容で成立する。
★ 内閣総理大臣の指名
…両院の議決が異なる場合は「両院協議会」を開かなければならない(必要)が
ここで意見が一致しないときは、衆議院の指名が、国会の指名となる。
また、衆議院が指名議決後、「参議院が10日以内に議決しない」ときは
衆議院の議決内容で成立する。
一般的優越権(相対的優越)
「法律案」において両院の議決が異なる場合は
衆議院で出席議員の2/3以上の多数で再可決したときは、衆議院の議決が国会の議決となる。
また、参議院が法律案を受取った後、60日以内に議決しないときは「否決したものとみなす」。
両院協議会を開くこともできる。(任意)
国会の運営
国会の種類
《国会の種類》
種類 | 回数 | 招集 | 会期 |
---|---|---|---|
通常国会 | 毎年1回 | 1月召集、次年度の予算審議など | 150日間 (延長は2回まで) |
臨時国会 | 不定 | ・内閣が必要と認めたとき ・いずれかの議院の 総議員の1/4以上の要求があるとき ⇒内閣が招集を決定 | 不定 (延長は2回まで) |
特別国会 | 不定 | 衆議院総選挙後30日以内に招集 内閣総理大臣と議長を選出する | 不定 (延長は2回まで) |
参議院の 緊急集会 | 不定 | 衆議院の解散中に内閣が必要と認めたとき ⇒議決事項は、次期特別国会の開催後10日以内に 衆議院の同意が必要 | 不定 |
運営と議決
法案審議などでは委員会制が採られており
法律案は、まず該当する委員会で審議され、その可決後、本会議で議決される。
・議院で一度議決した事項は、同一会期中に再び審議しない。(一時不再議の原則)
・会期中に議決に至らなかった事案は、継続せず、廃案となる。(会期不継続の原則)
★定数
本会議の定数は、総議員の「1/3」以上。 (委員会は、定員数の1/2以上)
★議決
通常、出席議員の過半数。可否同数の場合は、議長・委員長が決する。
★2/3以上の特別多数を要する場合
出席議員の「2/3」以上の特別多数を要する場合は、以下。
・議員の資格争訟裁判で、資格を失わせるとき
・秘密会の開催
・議員の除名
・衆議院における法律案の再議決
(憲法改正の発議は、各議員の2/3以上の賛成が必要)
法律案の発議
法律案の発議は、以下の3つが持つ
★ 国会議員
…衆議院では議員20人以上、参議院では10人以上の賛成を要する。(国会法)
★ 内閣
★ 委員会 (国会法)