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合併と会社分割 (会社法)
合併
合併とは、
2つ以上の会社が契約により、1つの会社になることをいう。
合併には、「吸収合併」と「新設合併」がある。
吸収合併・・・合併後に存続する会社が、消滅する会社の権利義務の全部を継承する
新設合併・・・新たに新設する会社に、合併により消滅する会社の権利義務の全部を継承する
合併の手続
合併をするには、原則として、株主総会の「特別決議」が必要である。
ただし、「吸収合併」において以下の場合は、特別決議が不要となる。
① 略式手続
吸収合併において、
「存続会社が特別支配会社である場合」「消滅会社が特別支配会社である場合」
② 簡易手続
吸収合併において、
合併対価の額が、存続会社の純資産の5分の1以下である場合
*「新設合併」の場合は、略式手続・簡易手続はない。
また、反対株主には、株式買取請求権が認められ、
債権者には、債権者保護手続が必要である。
*「吸収合併」の場合、株主総会において議決権を行使できない「議決権制限株主」も
反対株主として扱われ、株式買取請求権を行使できる。
合併の効果
吸収合併の場合は、「合併契約」で定めた効力発生日に、
新設合併の場合は、新設会社の「設立の登記」の日に、合併の効力が発生し、
存続会社または新設会社は、消滅会社の権利義務を継承する。
消滅会社の株主又は社員は、
合併契約の内容に従って合併対価(株式等)を取得し、存続会社の株主等となる。
消滅会社は合併により解散するが、清算手続きは行われない。
(存続会社が消滅会社の権利義務を継承するため)
会社分割
会社分割とは、
株式会社または合同会社が、
事業に関する権利義務の全部または一部を
新たに設立する会社または既存の他の会社に、継承させることをいう。
会社分割には、「吸収分割」と「新設分割」がある。
会社分割の手続
会社分割は、原則として、株主総会特別決議による承認が必要。
ただし、以下の例外がある。
吸収分割の場合・・・分割会社、吸収会社において「簡易手続」「略式手続」がある。
新設分割の場合・・・分割会社において「簡易手続」がある。
また、分割に反対する株主には、株式買取請求権が認められ、
債権者には、債権者保護手続きが取られる。
会社分割の効果
会社分割の場合、分割会社は分割後も存続するため、解散することはない。
吸収分割効力発生日(吸収分割の場合)または新設分割会社設立の日(新設分割の場合)に、
契約の定めに従って分割会社の権利義務を継承し、
分割会社は、吸収会社または新設会社の株主等となる。
吸収会社または新設会社に継承される債権債務は、
吸収分割契約書または新設分割計画書で明記される。
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